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直木賞を受賞した大島真寿美さんの作品を紹介

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いつも来ていただきありがとうございます。

 

サボログ×てんログ運営のサボり(@kuronopoem)です。

 

今回大島真寿美さんが直木賞を受賞した作品ですが、タイトルが「渦 妹背山婦女庭訓 魂結び」とかなり異質な感じですね。

 

大島真寿美さんですが、面白い作品を過去に何個も世に出されています。

 

作品数がかなり多いですが、昔の作品で良さそうなものが多いので紹介です。

※レビューが無いものもあります。

 

 

【第161回 直木賞】 渦 妹背山婦女庭訓 魂結び ★★★☆☆(3.5)

虚実の渦を作り出した、もう一人の近松がいた──

「妹背山婦女庭訓」や「本朝廿四孝」などを生んだ
人形浄瑠璃作者、近松半二の生涯を描いた比類なき名作!

江戸時代、芝居小屋が立ち並ぶ大坂・道頓堀。
大阪の儒学者・穂積以貫の次男として生まれた成章。
末楽しみな賢い子供だったが、浄瑠璃好きの父に手をひかれて、芝居小屋に通い出してから、浄瑠璃の魅力に取り付かれる。
近松門左衛門の硯を父からもらって、物書きの道へ進むことに。
弟弟子に先を越され、人形遣いからは何度も書き直しをさせられ、それでも書かずにはおられなかった半二。
著者の長年のテーマ「物語はどこから生まれてくるのか」が、義太夫の如き「語り」にのって、見事に結晶した長編小説。

筆の先から墨がしたたる。
やがて、わしが文字になって溶けていく──

空に牡丹

ご先祖に思いを馳せるファミリーヒストリー

私のご先祖様には花火に魅せられ、一財をつぎ込んで生きた静助さんという人がいる。
―――時は明治初期。江戸から東京になったが、地方ではいまだ江戸と呼ばれていた時代。その江戸から遠くない村で大地主の次男坊として生まれた静助は、ご一新で世間が大きく変わるなか、何不自由なく暮らしていた。
ある日、静助は母親と出かけた両国の隅田川で打ち上げ花火を見物し、ひと目で心奪われる。江戸の花火屋たちは、より鮮やかな花火を上げるため競い合っているという。
村に戻ってからも花火への情熱が消えない静助は、潤沢な資金を元に職人を雇い、花火作りに夢中になるが、富国強兵へ向かう時代の波が、次第と静助一族を呑み込んでいく……。

【編集担当からのおすすめ情報】

18世紀のヴェネツィアを舞台にした『ピエタ』(ポプラ社)で2012年本屋大賞3位に選ばれ、女性たちの心の交流を描いた作品でファンも多い大島真寿美さん。大島さんが初めて男性を主人公に、激動の時代を生きた市井の人々の姿をあたたかく描いた時代小説です。
装画は、山下清さんの名作を用いました。

ピエタ ★★★★☆

2012年本屋大賞第3位!!

 

18世紀、水の都ヴェネツィア。
ゴンドラが運んでいくのは、
秘めた恋とかけがけのない友情――
生への限りない祝福に満ちた感動作!

ゼラニウムの庭 ★★★★☆(4.5)

わたしの家には、謎がある―双子の妹は、その存在を隠して育てられた。家族の秘密を辿ることで浮かび上がる、人生の意味、時の流れの不可思議。生きることの孤独と無常、そして尊さを描き出す、大島真寿美の次なる傑作。

宙の家 ★★★★★

女子高に通う雛子の家は、マンションの11階にある4LDK。どうにかこうにか宙空を、地球と一緒にぐるぐる回っている。暇さえあれば寝てしまう雛子、歳の割にしっかりした小学生の弟・真人、時々ヒステリックな母の圭以子。同居する祖母の萩乃が「運針の病」にかかってしまったことで、ぎりぎり保たれていた均衡がゆらぎ出した…。不安定な心のうつろいと喪失に、まっすぐにむきあう姉弟の物語。

チョコリエッタ ★★★★☆

幼稚園のときに事故で家族を亡くした知世子。孤独を抱え「チョコリエッタ」という虚構の名前にくるまり逃避していた彼女に、映画研究会の先輩・正岡は突然、カメラを向けて……。こわばった心がときほぐされる物語。

進路調査に「犬になりたい」と書いて呼び出しをくらった知世子。彼女が幼稚園年長組の夏休み、家族旅行の道中で事故に遭い、母は帰らぬ人となった。「死にたい」「殺されたい」、からっぽの心に苛立ちだけがつのる高校2年生の夏、映画研究会OBである正岡の強引な誘いで、彼が構えるカメラの前に立つことに。レンズの向こう側へあふれるモノローグが、こわばった心を解き放つ。ゆるやかに快復する少女を描いた珠玉の青春小説。

あなたの本当の人生は

「書くこと」に囚われた三人の女性たちの〈本当の運命〉は――
新人作家の國崎真実は、担当編集者・鏡味のすすめで、敬愛するファンタジー作家・森和木ホリーに弟子入り――という名の住み込みお手伝いとなる。先生の風変わりな屋敷では、秘書の宇城圭子が日常を取り仕切りっていた。初対面でホリー先生は、真実のことを自身の大ベストセラー小説『錦船』シリーズに出てくる両性具有の黒猫〈チャーチル〉と呼ぶことを勝手に決め、真実は戸惑うばかり。
書けなくなった老作家、その代わりに書く秘書、ギャンブル狂の編集者、老作家の別れた夫……真実の登場で、それぞれの時間が進み始め、女三人の生活は思わぬ方向へ。
その先に〈本当の運命〉は待ち受けるのか?

 

『ピエタ』が2012年本屋大賞3位になった著者の、2014年直木賞候補作。「書くこと」の業を、不思議な熱を持って描いた前代未聞の傑作!

これは書く女だけの小説ではなくて、人生の考察小説だ──解説・角田光代

やがて目覚めない朝が来る ★★★★☆

少女は、魅力的な大人たちに囲まれて、大人になっていく。すべてを包み込んで穏やかに流れていく時間と人生のきらめきを描き出す、今、最注目の著者の最高傑作。

戦友の恋 ★★★☆☆(3.5)

「友達」なんて言葉じゃ表現できない、戦友としか呼べない玖美子。彼女は突然の病に倒れ、帰らぬ人となった。彼女がいない世界はからっぽで、心細くて……大注目の作家が描いた喪失と再生の最高傑作!

漫画原作者の佐紀は、人生最悪のスランプに陥っていた。デビュー前から二人三脚、誰よりもなにもかもを分かちあってきた編集者の玖美子が急逝したのだ。二十歳のころから酒を飲んではクダをまいたり、互いの恋にダメ出ししたり。友達なんて言葉では表現できないほどかけがえのない相手をうしなってしまった佐紀の後悔は果てしなく…。喪失と再生、女子の友情を描いた、大島真寿美の最高傑作。

ふじこさん ★★★★☆(4.5)

離婚寸前の両親の間で自分がモノのように取り合いされることにうんざりしている小学生のリサ。別居中の父が住むマンションの最上階から下をのぞき、子供の自殺について考えをめぐらせることがもっぱらの趣味。ある日きまぐれに父の部屋を訪れると見覚えのない若い女の人が出迎えてくれて…。ほか二編。

ツタよ、ツタ ★★★☆☆

千紗子という新たな名前を持つこと。心の裡を言葉にすること。自分を解放するために得た術が彼女の人生を大きく変えた―― 明治の終わりの沖縄で、士族の家に生まれたツタ。父親の事業の失敗によって、暮らしは貧しくなるが、女学校の友人・キヨ子の家で音楽や文学に触れるうち、「書くこと」に目覚める。やがて自分の裡にあるものを言葉にすることで、窮屈な世界から自分を解き放てると知ったツタは、「作家として立つ」と誓う。 結婚や出産、思いがけない恋愛と哀しい別れを経て、ツタは昭和七年に婦人雑誌に投稿した作品でデビューする機会を得た。ところが、待ち受けていたのは、思いもよらない抗議だった……。「幻の女流作家」となったツタの数奇な運命。一作ごとに新しい扉を開く、『ピエタ』の著者の会心作!

新たな名前を持つこと。心の裡を言葉にすること。自分を解放するために得た術が、彼女の人生を大きく変えた―。明治の終わりに沖縄に生まれた「幻の女流作家」の数奇な運命。一作ごとに新しい扉を開く『ピエタ』の著者、会心作!

香港の甘い豆腐 ★★★★☆(4.5)

初めて訪れた香港で知る、私の出生の秘密。

学校に行っていないことが母親に発覚し、厳しく詰問されていた女子高生の彩。その母親との諍いのの最中に、うっかり口にした、「どうせ父親も知らないから」という言葉がきっかけで、母親は突然、半ば強引に彩を香港へと連れ出す。どうやら彩の父親はいま香港にいるらしい。生まれてからこのかた彩には父親という存在の影すらなかった。自分がうまくいかないことの全ては、そのせいではないかと思っていた。頭が悪いのも、溌剌としていないのも、夢がないのも、希望がないのも、全部。とはいえ父親に会いたいとは一度も思ったことがなかった。そんな彩の気持ちも知らない母親が、彩に唐突に訊く。「懐かしい感じ、する?」「するわけないじゃん、香港になんか来たことないのに」。すると母親は「遺伝子には町の記憶は入ってないのね」と思いもかけないことを口にした。もしかして、私の父親は日本人ではないのだろうか、香港の人? そう疑問に感じ動揺する彩だったが、熱気と活気に溢れる香港の街、そして力強い響きを持つ広東語に惹かれるうちに、少しずつ気持ちがほどけていく。

【編集担当からのおすすめ情報】

長編小説『ピエタ』で話題の著者が、香港を舞台に母と娘の交流を描いた名作小説、待望の文庫化。

「どうせ父親も知らない私ですから」十七歳の彩美は、うまくいかないことをすべて父親のせいだと思っていた。夢がないのも自信がないのも。退屈な夏休み。突然、彩美は母親からパスポートとエアチケットを渡される。どうやら父親はいま香港にいるらしい。会いたいと望んだことなんて一度もなかったのに。ガッツよ、ガッツ。初めて知る出生の秘密に、へこたれそうになる自分を鼓舞し、彩美は空港へ降り立った―。熱気に溢れる香港の町。力強い響きの広東語。活気に満ちた人々と出会い、少女がたおやかに成長を遂げる青春の物語。

ビターシュガー(虹色天気雨2) ★★★☆☆(3.5)

アラフォー女性の友情を描いた傑作小説!

前作の『虹色天気雨』から数年後の設定。市子とまりと奈津の三人は、二十年来の交流を続けてきた女友達だったが、ある日、市子の家に、まりの恋人だった年下のカメラマン・旭が転がり込むことになった。市子は旭の居候をしぶしぶ了承したものの、中学生になったばかりの奈津のひとり娘・美月にそのことを嗅ぎつけられ、弱みを握られてしまう。まりに秘密を抱えたうえに、美月からも信州に住む別居中の父親・憲吾に会いに行こうと懇願され、奈津にも市子は内緒事ができてしまう。一方、まりは仕事場で再会した年上の男性・内藤との新しい恋に悩んでいた。内藤には離婚した妻がおり、今でも元妻とはお互いの家を行き来するような仲だという。恋愛、結婚、離婚――。三人の女性たちに芽生えた「幸せの誤差」を描いた、大人の女子恋愛&友情小説シリーズ第2弾。

【編集担当からのおすすめ情報】

NHKの「よる☆ドラ」、「ビターシュガー」(2011年10月18日スタート、連続10回)の原作小説です。

前作『虹色天気雨』から数年後。市子、奈津、まりの三人は、中学、高校からの二十年来の付き合いを続けている。モデルをやめて専業主婦になった奈津は、失踪騒ぎを起こした夫・憲吾と別居、娘の美月と二人で暮らしている。キャリアウーマンのまりは年下のカメラマン・旭との恋愛に疲れ、別離を選んでいた。市子はあいかわらず執筆業を続けていたが、ひょんなことから、まりの恋人だった旭が彼女の家に転がり込んできたことから、市子、奈津、まりの三人の関係に微妙なほころびが生じることになる…。連続ドラマ化もされたアラフォー女性の恋愛&友情小説。

三月 ★★★★★

平穏で地味に見えても、それだけですむ人生なんてない――。同窓会の案内がきっかけで二十年ぶりに連絡を取り合った六人の女性。犬と暮らす失業中の領子、 娘との関係に悩む明子、元恋人の死に夫が関わっていたのではと疑う穂乃香……『ピエタ』の著者が贈る、深い感動が胸を打つ、終わりと始まりの物語。

ワンナイト ★★★★☆(4.5)

人生は、たった一晩で動き出すーー。
「ピエタ」で本屋大賞3位の著者が描く、人生を大きく変える小さな物語。

♀1住井瀬利「バツイチにだって、恋の一つや二つあってもいいじゃない」
♀2佐藤歩「この私が、合コンなどに付き合わされてたまるか」
♀3宮本さなえ「早く私をたべてくれればいいのに」

♂1戸倉佑一郎「結婚が薔薇色なら、なんでこんなに離婚が多いのだ」
♂2米山正勝「おれ結婚してるんだ、なんて、とても言い出せない」
♂3小野利也「結婚って、こんなに難しいものだったのか?」

小さなステーキハウスを営む鏡子と夫の義弘。
店も家族の関係もそれなりに順調だが、頭を悩ませるのは、義妹の歩。
ラノベ小説家としてなんとか生活しているものの、男の影もなく、姑を心配させるばかり。
ある日、常連の瀬利の提案で、合コンが行われることに。参加者は結婚観も恋愛観もバラバラの6名。
何も起きなかったように見えたその晩、それぞれの人生は大きく動いていた……。
『ピエタ』で話題の俊英が、一晩の出来事の顛末を通して人生の転機を鮮やかに描き出す、傑作長編小説。

ステーキハウスのオーナー夫妻が、独身でオタクの妹を心配するあまり開いた合コン。そこに集まった、奇妙な縁の男女6名。結婚したかったり、したくなかったり、隠していたり、バツイチだったり…。彼らのさざ波のような思惑はやがて大きなうねりとなり、それぞれの人生をかき回していく―。ままならないけれども愉しい人生を、合コンをモチーフに軽妙な筆致で描く、かつてない読後感を約束する傑作長編!

虹色天気雨 ★★★☆☆(3.5)

こんな素晴らしい友だちに囲まれていたい!

早朝に電話で起こされ、幼なじみの奈津の一人娘・美月を理由もわからぬまま預かることになってしまった市子。家に連れてこられた美月から、奈津の夫・憲吾が行方不明となり、奈津が憲吾を捜しに出かけたことを知らされる。 2日後、戻ってきた奈津は心当たりの場所をすべてまわったが憲吾を見つけられなかったと語る。憲吾の失踪には女性が関係しているとにらむ市子と奈津のまわりには続々と仲間が集まってきて……。「現代に生きる女性読者には心強い応援歌なのではないか」(解説・北上次郎)こんな友達に囲まれていたい。女性たちの友情を描いた名作小説。

【編集担当からのおすすめ情報】

女性たちの友情を丹念な筆で描いた珠玉の小説

それでも彼女は歩きつづける ★★☆☆☆(2.5)

嫉妬と羨望が混じり合う女たちの物語

映画監督・柚木真喜子が海外の映画祭で受賞した。OLを辞めてまで一緒に映画の脚本を書いてきた志保。柚木の友人の後輩で、当時柚木の彼氏だった男を奪い結婚したさつき。地元のラジオ番組の電話取材を受けることになる、柚木とは年の離れた妹の七恵。柚木が出入りしていた画家の家で、柚木と特別な時間を過ごした亜紀美。息子がどうやら柚木に気があるらしいと気を揉む、柚木が所属する芸能事務所の女社長・登志子。柚木に気に入られ、素人ながらも柚木の映画「アコースティック」で主演を演じた十和。
柚木に翻弄される女性六人の心の揺れから、柚木という一人の女性の生き方が見えてくる連作短編集です。最終話にシナリオを配した構成の実験的小説がついに文庫化。

【編集担当からのおすすめ情報】

「大人女子の恋愛&友情小説」シリーズ『虹色天気雨』『ビターシュガー』が大評判となり、ドラマ化もされた大島真寿美さん。女性の心の機微を丁寧に描く大島さんが、物語の構成にこだわりぬいた極上の小説です。

空はきんいろ―フレンズ ★★★★★

ありさとニシダくんは似たもの同士。だから、はなれていても、おたがいの気持ちがわかる。そんな小学生二人の出会いと友情。

いつもいつもいっしょにいることだけがともだちじゃない。たとえ、とおくにいたって、あえなくたって、ニシダくんとアリサはへいき。かわりもの同志の冬・春・夏・秋四編の物語。小学上級から。

ほどけるとける ★★★★☆(4.5)

泡のような日々は、ふわふわと。
どうにも先が見えなくて、めんどくさくて、将来の夢もわからない……。高校を突発的に中退し、祖父が経営する銭湯を手伝う少女が、常連客との交流や淡い恋を経て、夢を見いだしていく。ほわほわとあたたかな物語。

平和な気持ちになりたくて、女の子特有の仲良しごっこの世界を抜け出した18歳の美和。夢も希望も自信も失って、祖父が経営する銭湯でバイトをしながら、どうにも先が見えない日々を過ごしていたのだが…。あなたの疲れた心を、そうっとあたためる、やわらかな成長の物語。

かなしみの場所 ★★★★☆

離婚して実家に戻り、雑貨を作りながら静かな生活をおくる果那。夫と別れるきっかけとなったある出来事のせいで、自分の家では眠れないのに、雑貨の卸し先である「梅屋」の奥の小部屋では熟睡できる。梅屋のみなみちゃん、どこか浮世離れした両親や親戚、ずっと昔、私を誘拐した「天使のおじさん」―。個性豊かな人々の心に触れ、自分らしい人生を取り戻す。生きていくことの愛おしさが胸に迫る、やわらかな再生の物語。

羽の音 ★★★★☆

不登校の妹と、出社拒否の姉。
二人暮らしの日々に、ゆっくりと浮かび上がってくる気持ち。

両親の離婚時に独立を宣言した姉と二人で暮らすようになって三年。高三になった菜生は、大学への推薦決定後、学校をさぼりがちになっていた。
そのうち、短大を出て働いている姉までなぜか会社を仮病で休むようになり――青春の一時期に描く感覚を、こまやかに切り取った物語。

三人姉妹 ★★★★☆

末っ子は損だ。いつまでも姉にいたぶられ、ホントに腹立たしい―。元は貧乏男好きの長女・亜矢は見合いの果てに玉の輿婚、転んでもただでは起きない毒舌家の次女・真矢は奇病を克服して、華麗に転職。三女の水絵は大学を出たものの、フリーターの実家暮らしで、新しい恋に一喜一憂の日々。それぞれの恋愛、人間関係を時に優しく、時に厳しく見守る家族の日常を描く長編小説。

水の繭 ★★★☆☆(3.5)

むかしむかしあるところに、私たちが家族だった頃がある―。母と兄、そして父も、私をおいていなくなった。孤独な日常を送っていたとうこのもとに、ある日転がりこんできた従妹の瑠璃。母とともに別居する双子の兄・陸は時々とうこになりかわって暮らすことで、不安定な母の気持ちを落ち着かせていた。近所の廃屋にカフェを作るためにやってきた夫婦や、とうこの祖母。それぞれが大きな喪失を抱えながら、ゆっくり立ち上がっていく、少女とひと夏の物語。

モモコとうさぎ ★★★☆☆(3.5)

現代を生きる若者の不安と憂鬱と活路を見事に描きだした青春放浪記!

モモコ、22歳。就活に失敗して、バイトもクビになって、そのまま大学卒業。もしかして私、誰からも必要とされてない――!?
そんなやり場のなさから、ひたすら、ちくちくと縫い物に没頭する日々。ここに籠もって、暗い現実を、なんとかやり過ごせたら。でもそうは問屋が卸さない。家を出る羽目になったモモコは知り合いの下宿を転々とし、3Kの肉体労働にも黙々と従事し、明日をも知れぬその日暮らしを続けるうちに、肌身離さず持ち歩いていたぬいぐるみのうさぎに導かれるように、いつしか自分のルーツともいうべき場所に漂着していて――。
外国人労働者、格差社会、限界集落、地方の共同体、超長寿社会……
のっぴきならない現実をつぶさに目の当たりにし、いかに自分が非力かを痛感するたび、自分が傷だらけになって崩壊していきそうで、とにかく怖くて。それでもその場その場で、野草のように地面に根を張ろうとするかそけき女子の意外にタフな生命力。
就職とはなんぞや。働くとは、生きるとは――。
寄るべない気持ちで、たゆたうように現代を生きるすべての若者の、云うに云われぬ不安と憂鬱と活路を余すところなく描き出した人生応援歌!

ぼくらのバス

暇を持て余していた、小学五年生の加納圭太は、弟の広太を誘い昔通った「バスの図書館」へ行ってみる。管理人のおじいさんが亡くなって以来使われずにいた「バスの図書館」は、かつての面影を失い荒れ果てていた。こっそりとバスに忍びこみ「秘密基地」にした二人だったが、ある日、家出少年の富士田順平が押しかけてきて…。少年たちの成長が瑞々しく描かれた、ひと夏の青春ストーリー。

青いリボン ★★★☆☆(3.5)

ドラマ「ビターシュガー」原作者の名作小説

依子の両親は、彼女が小学生の頃から家庭内別居中。適度な距離を保つ生活を続けていたが、父親の転勤と母親の長期出張が決まり、依子は親友の梢の提案で彼女の家でしばらく下宿することになる。かつては居候も多かった梢の家は、浪人中の兄の拓巳、妹の多美、両親と祖父母の大家族で、核家族で育った依子にとってはまるで別世界。いつも家の中に人の気配が感じられる梢の家で過ごすうち、両親に対する依子の気持ちも緩やかに変わっていく。女子高生たちの友情と淡い恋、そして家族のあり方を丁寧な筆致で描いた青春小説。

すりばちの底にあるというボタン ★★★☆☆

「すりばち団地」に住んでいる薫子と雪乃は、幼なじみ。その二人の前にあらわれた転校生の晴人。薫子と雪乃が知っていたのは「ボタンを押すと世界が沈んでしまう」ということ。しかし晴人が知っていたのは、「ボタンを押すと願いが叶う」ということ。どちらが真実?三人は、真実を探しもとめ動きだす。―団地を舞台に心の揺れ動きを丁寧に描き出した物語。

ちなつのハワイ ★★★☆☆(3.5)

せっかく家族でハワイに来たのに、兄は機嫌が悪いし、両親はケンカばかり。うんざりするちなつの前に、なぜか日本にいるはずのおばあちゃんが現れた。一緒に家族の絆を取り戻そうとするのだが----。うまくいかない現実も、ささくれだった心も、ハワイはやさしく包み込み、解き放ってくれる。家族の再生、かけがえのない存在との別れを通して、しなやかに成長する少女の物語。

ココナッツ

とびらは朝ねぼうでラジオ体操にいつもまにあいません。健太郎は、そんなとびらをからかうのがすきです。夏休みのラジオ体操もおわりに近づいたころ、二人はビルの屋上で釣りをしているおじいさんにであいます。そして、その日から、とまっていた夏休みの時間が、きゅうにぐるぐるとめまぐるしくうごきだしました。大型の台風がとびらたちの町をおそうなか、「南の島屋」という名の屋台でココやしを売る女の人をたすけることになったのです。女の人は自分のことをココナッツとよんでくれといいました。

まとめ

芥川賞の今村夏子さんとはまた違った作風な印象です。

 

ドラマ化されている作品もあったり、高評価作品が多いですね。

 

また、ジャンルがバラバラです。

 

こんな多ジャンルに跨る作品が書けるのは天才だからですかね。

 

今回の直木賞の作品は一見難しそうにも見えますが、過去作品は読みやすそうなものが多いと思いますので是非!

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